ムーミン谷へようこそ!
ムーミンたちは、十一月から四月まで冬眠をします。
でも、家族でひとりだけ目を覚ましてしまった
ムーミントロールが春を迎えるまでの物語が
この『ムーミン谷の冬』です。
真冬のムーミン谷で起きているのは、はずかしがりやだったり、
おこりっぽかったり、わけのわからない生きものばかり。
寒いし、お日さまが出なくて暗いし、
見なれたムーミン谷とはまったく違う別世界に
ムーミントロールは放りこまれてしまったのでした。
ちびのミイも目を覚ましますが、夏の日々をなつかしんだりせずに、
冬を楽しみます。
雪と氷の世界に閉じこめられて迷いながら、ムーミントロールは
冬に立ち向かい、新しい出会いと経験を重ねていくのです。
2020年の年明けから私たちも、誰もが経験したことのない世界で
不安な日々を過ごしています。冬のムーミン谷の物語は、
今を生きる私たちの物語でもあるのです。
また、この本のイラストは、ムーミングッズにもたくさん使われています。
ぜひ、発見してみてくださいね。畑中麻紀(新版ムーミン全集 翻訳編集)
「新版『ムーミン谷の冬』読書感想文集」
ムーミン谷の冬のあらすじはこちら
「小さな図書館」参加の皆さんには
夏休みの宿題として、簡単な感想文をお願いしました。
たくさんの力作や、素敵な画像をご提出いただきましたので
こちらでご紹介いたします(順不同です)。
この本を読み終わって、特に印象に残っている事が
二つあります。
一つ目はムーミンが初めて雪に降られた時、
雪を「下から生えてくる」物だと思っていた事です。
読んでいて懐かしい気持ちになりました。
私がまだテレビやポストの仕組みを知らなかった幼い頃、
本気でテレビの中に人がいて、
家のポストは赤いポストと滑り台で繋がっていると
考えていました。
今でこそ当たり前の物達が、子どもの頃は全て不思議で、
いろんな空想に繋がっていたことを思い出したからです。
ムーミンが初めての冬、雪に怯えたり、最後はわくわくしたり、
見当違いな想像をしたりしている姿から、
今まで忘れていた子どもの時のきらきらした気持ちを
思い出せて嬉しかったです。
そして二つ目は、ムーミンママが目覚めた時、
何一つムーミンを叱らなかった事です。
ムーミン家の宝物の「銀のおぼん」が雪滑りに使われていた事も、
たくさん作ったジャムが食べられていた事も、
家にたくさんのお客さんを住まわせていた事も、
物がたくさん無くなった事も。
全て叱るどころか、肯定して、プラスに捉えて、
ムーミンの事も褒めていました。
今まで漠然と私の中でムーミンママは
「理想のお母さん」でしたが、
この本を読んで改めて学ぶことが多かったです。
ムーミンママの物事の捉え方がとても好きだと感じました。
そして自分も息子に対してこうありたいです。
今1歳の息子は可愛い盛りですが、
これから叱る事も増えていくでしょう。
でも本当に怒る程の事なのか、
もしかしたらムーミンママのように、
見方を変えるとプラスになるのではないか、
私の中の「こうあるべき」を息子に押し付けないように
気をつけようと思いました。
最後に、活字を読むのは久しぶりでしたが、
とても心地よい文章でした。
優しい表現で、時々こちらに語りかけてくれたり、
絵本を読んでいるような感覚で読み進める事が出来ました。
穏やかにゆったりと、でも気づかされる事もあったり、
ムーミンの世界がより一層好きになれました。
ありがとうございました。埼玉県在住20代
ムーミンの小説は今回初めて読みました。
特に印象的だったのはフィンランドの冬。
今まで白夜に近い状態を経験したことがありましたが、
冬にはその逆も起こるということを改めて実感しました。
白黒の挿絵からも、冬の冷たさ、厳しさがよく伝わってきます。
フィンランドの冬と違って、関東は毎日厳しい暑さが続いていますが
ムーミンが、今までの日常と異なる生活を始め、
新たなお客さんと知り合う場面には、コロナ禍での人々の新しい取り組み、
そして私の生活と重なる部分があります。
秋に出産を控えているので
私は里帰りをしていて、実家の家族と暮らしてします。
関東でしかできない事、新しい挑戦などもして楽しんでいますが
同じ「SUOMI」の指輪を持つ夫とは、7月から離れ離れの生活を送っています。
小説と一緒にいただいたトートバッグのイラストのように
仲良く3人で過ごすことができる日を、心待ちにしています。
これを機に、他の小説も読んでみようと思います。
素晴らしい機会を与えていただき、ありがとうございました。沖縄県在住30代
読んでて挿絵がすごく綺麗で
ムーミンの魅力がすごく伝わってきて、
また、読んでいてすごく優しい気持ちになれる
作品だなぁと思いました。
この作品の中で好きなフレーズがリトルミイの
『あたいがかなしんだら、
それがりすさんにとって、なにかの役に立つの』
なんですが、リトルミイなりの愛とか優しさとかを
感じ取れる言葉ですごくすきです。
まだ作中で冬から春になっていく中で、
ムーミンの様々な感情が描かれているところが面白いし、
ますますムーミンが大好きになりました!
素敵な作品なので、何度でも読みたいと思います、
ありがとうございました!埼玉県在住20代
ムーミンたちの言葉
子どもの頃にフィンランドへ行く機会があり、
そこでムーミンと出会いました。
フィンランドやムーミンの世界の、ものの見方や感じ方に
とても感銘を受けました。
周りの目や、考えを気にしてしまう自分を
好きになれずにいましたが、
ムーミン達の言葉にたくさん救われてきました。
そして、いつも色々なことに気付かせてくれます。
今回のお気に入りはおしゃまさんでした。
おしゃまさんの言葉には沢山考えさせられました。
「ものごとってものは、みんな、とてもあいまいなものよ。
まさにそのことが、わたしを安心させるんだけれどもね」
という言葉が印象に残っています。
私たちはつい何にでも答えを出したがりますが、
そうじゃなくていいのだと、そうではないのだと。
これからもムーミンとともに、色々な考え方に触れながら、
過ごしていきたいと思います。
そして、次の時代を生きる子どもたちに伝えていければ、
と思っています。
ムーミンのキャラクター達はとっても可愛らしく
最近では1つのブランドのようにもなってきています。
ですが、ぜひムーミン達の言葉にも注目してみると
とても不思議で素敵な世界が広がっています。
ぜひみなさんにも見ていただきたいです。北海道在住20代
娘も楽しんで読んでいます。
文字が多いため一日で1、2ページですが
たまの挿絵を楽しみにしているようです。
ありがとうございました。長野県在住30代
夏が和らいだ今日、ゆっくりと手に取り読み始めました。
あっという間に、わたしは長い冬と春の訪れを体験しました。
冬の鼻の中まで凍らすような澄んだ空気と、
ほんの少しあたたかな空気が混じった春の匂いを、
(大袈裟でなく)本を読みながら思い出して、
吸い込んだ気になったのです。
季節の匂いが大好きなので、とてもワクワクとして、
夏の暑さにやられていた心が
次の季節を待ち遠しく感じられるようになりました。
ムーミン谷に集まった仲間たちが個性豊かで、
でも実際にもいそうな人々で人間臭いのが気に入っています。
わたしの大好きなキャラクターはお馴染みのスナフキンでしたが、
トゥーテイッキの相手のことに立ち入らないけれど
その存在を認めて共存してくれるような静かな優しさに憧れ、
ますます大好きになりました。
もちろん、最後のママの言葉に「さすがママ!」と思ったのは
いうまでもありません。
ムーミントロールたちは、自分たちの置かれた自然の中で、
喜びうろたえはしゃぎ怯えるなどなど…して、
それでも委ねながら生きてるんですね。
「どんなことでも、自分で見つけださなきゃいけなあものよ。
そうして自分ひとりで、それを乗りこえるんだわ」
自分が住む世界に置きかえて、
トゥーテイッキの心で明日からもがんばろうと思いました。埼玉県在住30代
私はムーミンについてはそれほど詳しくないため
(アニメを少し見ていた程度です)
「ムーミン谷の冬」が日本で初めて翻訳されて
世間に知られることになった物語だとは知りませんでした。
ムーミンが冬眠に目覚めることが無かったら
彼はこの物語にある別の世界を知ることなく
生きて通り過ぎていくはずでしたが、
トゥーティッキやムーミンやしきに集まってきたお客さん、
特に陽気なヘムレンさんなどは鬱陶しいとは思いながらも
今まで会うことのなかったタイプの人物(?)に触れて
ムーミンの心にいろどりが増えたのは
彼にとって貴重な体験だったと思います。
それにしてもムーミンやしきのお客さんたちは
とても繊細な方々で、最近世間でも話題になっている
HSP(生まれつき敏感、繊細な人)という人たちの存在と
重ね合わせて読んでいました。
本には挿絵があるので想像の手助けになりましたが、
物語が進むにつれて厳しい吹雪のモノクロの世界の冬から
太陽の光で徐々に白み始め春に近づくたびに色づいていく
キラキラした自然の映像が頭の中で流れていました。東京都在住30代
文章が読みやすく、すうっとムーミンの世界に入ることが出来ます。
冬という新しい世界を目の当たりにしていく姿は
コロナ禍の今にも通ずるものがあるように思え、
今を一つ一つ乗り越えていこうという気持ちになりました。埼玉県在住20代
普段なら本は一気に読んでしまうのですが、
今回は少しずつ、ゆっくり読もうと決めて読んでみました。
「楽しいムーミン一家」の方が馴染みがあったので、
色んなシーンを思い出しながら楽しむ事ができました。
1人目覚めてしまった事に戸惑うムーミンに、はじめての冬。
長く閉ざされた冬の景色、冬の住民たち、
トゥーティッキやモラン…ちょっとカオスな状況ですね。
子供の頃には気が付かなかったです。
氷姫や冬のお祭りはとても不思議で、
幻想的で…私も見てみたいです。
それか怖がりながら、通り過ぎるのを待ってみたい
(うっかり目が合って死んでしまうかもしれませんが…) 。
春になるとムーミンが少したくましく、
大人になったように感じました。
冬を越す事で成長したんですね。
ママが作ってくれた温かいジュースは、
読んでいるこちらの心もほっとさせれてくれる暖かさがありました。
大人になってから改めて読みなおすと、
子供の頃とは違う視点で楽しめるのだなとしみじみ思える作品でした。
例年よりも家での時間にゆとりができてしまった「今」だからこそ、
ゆっくりと余韻まで楽しむ事ができました。
素敵な企画に参加させていただき、ありがとうございました。東京都在住30代
「そんなに焦っちゃだめよ。
お日さまは、毎年この日にやってきたのよ。
だからこんどだって、きっと来るわ。… 」
トゥーティッキがムーミンに語った言葉が心に残った。
北欧の冬が、どれほど長く厳しいものか。
日本で暮らし、焦る気持ちでお日さまを待った事がない私には、
想像ができない。
ただひたすら、冬が過ぎるのを待つ日々。
もう春は来ないのかも知れない…
そんな不安が心によぎるのだろうか。
北欧のシンプルなインテリアやデザインは、
長い冬を快適に過ごす為の工夫から生まれたと聞いたことがある。
鮮やかな色合いのテキスタイルや、
人肌のような温もりを感じさせる照明には、
確かに、厳しい自然を受け入れながら生きる
北欧の人々の素朴さと、力強い優しさが表れているように、
私は思う。
コロナが流行り、今私たちは冬でもないのに、
なるべく家にこもる生活を強いられている。
ウイルスに左右される不自由な生活。
出口の見えない不安に疲労も蓄積し、言動もつい後ろ向きになる。
「落ちつきなさいよ。」
トゥーティッキがいれば、静かにそう言って安心させてくれるだろう。
今の私たちには、不安なときも焦らず、自暴自棄にならず、
淡々と日々を暮らしながらその日を待ちつづける、心の強さが必要だ。
トゥーティッキや、谷の仲間と共に冬を乗り越えたムーミンの様に、
私も、必ず春が来ると信じながら、暮らしていきたい。神奈川県在住40代
ムーミン好きな母と共有しました。
ページの初めに
「母に贈る」とあって、作者と同じだなぁとシンクロを感じました。
この本は、読む人の年齢や立場で
いろんな感じ方ができる本だなぁと思いました。
初めは純粋にムーミン谷の冬のおはなしとして読んでいましたが、
読み進むにつれて、今のコロナ時代と重なって思え、
この、先の見えないコロナ情勢をどうやって生きていくか。
どんな時でも、リトルミイやヘムレンさんのように人生を楽しむ事。
不器用ながらムーミンのように一歩ずつ歩む事。
どちらにしても、人は1人では生きていけない事。
おきてしまった事を嘆かず、ムーミンママのように、
色んな事をポジティブに捉えて、前にすすむこと。
私は大学3年で、本来なら就活真っ只中。
コロナによる世界的な不景気で、
希望の企業からの求人が無かったり、
求人自体が少なかったり…と
思うように進まないけれど、ピンチはチャンスで、
今だからこそ出来ることに目を向けて進もう!と思いました。
このタイミングでこの本に出逢えて、良かったです。
この本とのきっかけをくれた母に「ありがとう」と伝えたいです。
そして、色々な世代、沢山の人に読んで欲しい本だなぁと思いました。
ありがとうございました福岡県在住20代
はじめての冬を経験し、
不安を抱きながらもはじめての出来事に対して
果敢に立ち向かうムーミンの強さや、
その中で出会う人々(キャラクター)と向き合う姿勢に
いつの間にか忘れつつあった大切なことに
気づかされることが多くありました。
この小説は初めて読ませていただきましたが、
ムーミンの思いや行動を読み取り、さらに愛おしく感じました。兵庫県在住20代
厳しい猛暑のなか、フィンランドの極寒の冬を舞台にした
『ムーミン谷の冬』を読みました。
気分だけでも少しは涼しくなれたかな……?
やさしい言葉で語られるのだけれど、
ムーミントロールや登場人物たちの味わう、
冬ならではの寂しさ、孤立感、
どんどん内向きになっていく感じがリアルに描かれていて、
このコロナ禍の世界と深くリンクしているなと思いました。
本当なら春が来るまで冬眠しているはずなのに、
家族でひとりだけ目をさましてしまったムーミントロールが、
最初は冬の寒さや暗さ、雪と氷、冬に動きまわる生きものなど、
何もかも受け入れられず、
楽しかった夏の思い出に浸っては嘆くばかりだったのが、
さまざまなできごとや事件を経て少しずつ変わっていくさまに、
現代のわたしたちにもヒントになる部分がありそうです。
高橋静男さんの解説にもあるとおり、
ムーミントロールに冬を生きぬくことができたのは、
ムーミン谷に次々と現れる個性的な登場人物たちに戸惑いながらも、
けっして拒んだり追い出したりはせず、
相手のことをまずは受け入れようとする姿勢の
おかげだったように思います。
わたしも、ささやかな楽しみを見つけつつ、
いろいろな形でまわりの人々と対話を続けることをあきらめず、
この状況を乗り切っていこう、という勇気をもらいました。
実は子どもの頃に青い鳥文庫で読んだことがあり、
実家に全作品そろっているのですが、
新版はさらに読みやすくなっていて装丁もすてきで、
全シリーズ新版でそろえたくなりました!
ありがとうございました。大阪府在住30代
まだ、全部読みきれていないのですが、
トゥーティッキがいう言葉はいくつも印象に残りました。
特にp59の
「いったいどっちの世界が本当だか、どうやってわかるのよ」
という言葉です。
冬のムーミン谷をまだ受け入れられていない
ムーミンに言った台詞です。
どれも本当の世界で、変化していく毎日を楽しんでいけたら
いいなと思います。
私は今、六ヶ月の赤ちゃんがいて、二人目なのですが
一人目のときはコロナなんてなかったので、
自由に出掛けられましたが、
今の赤ちゃんとはあまり出掛けられていません。
でも、今この環境の中で、
赤ちゃんとの生活を楽しんでいきたいと思います。新潟県在住30代
毎日酷暑ですが、今年はいつもと違う夏…。
冬の描写で、暑さを忘れながら読めました。
ムーミンも毎年冬眠していたけど、
目覚めてしまったのでいつもと違う冬なんでしょう。
今まで冬眠していたけど、
ムーミンとリトルミイは目覚めてしまったからこそ
新しい仲間?と出会たのでしょうね。
私もなんでこんな我慢しなきゃいけないのー!って
今年になってから思ってましたが、
こんなイレギュラーな時だからこそ
楽しめるもの見つけたいなと思いました。
ムーミンの小説は小学生振りに読みましたが、
大人になっても楽しめますね!
そして挿絵が可愛くて、とても癒されました…。
他のシリーズも読んでみたいと思います。
今回は貴重な機会をいただきありがとうございました!
この状況が落ち着いたら、
ずっと行きたかったフィンランドへ旅行したいな〜埼玉県在住30代