2011.07.01
離婚しても指輪壊さないで
結婚指輪プロデューサー 渡部博行 (川崎市麻生区 49)
本紙18日の「耕論」で、ハンマーで結婚指輪をたたき割る離婚式が紹介されていました。
しかし、指輪には結婚したお二人だけでなく、職人さんや多くの人たちの思いが込められています。
離婚式自体の是非はともかく、志を持って結婚指輪の提供を職業としている者としては、とてもつらく悲しいことです。
結婚指輪は結婚に関わるものの中でも、ずっと後まで残ります。
名前などが刻まれている場合もあり、今回の大震災でも、身元確認などで重要な役割を果たしたそうです。
それを聞いて、いいかげんなものを送り出すようなことは絶対にできないと、思いを新たにしたところです。
実際には、上質の結婚指輪はハンマーでたたいても変形するだけで、割るのは難しいです。
一方、貴金属としても価値はあるものなので、もし不要になった場合には、そのままボランティア団体などに寄付されれば、よりスマートで幸福な再スタートが切れることと思います。
2011年6月27日月曜日
朝日新聞東日本版 オピニオン 声欄