ムーミンバレーパークへいってきた

ムーミン谷が日本にやってきた

フィンランドの有名な観光地でもある「ムーミン谷」をご存知でしょうか?世界中のファンが訪れるその場所を、私たちも以前、皆さんにご紹介しました。
そんなムーミンの世界観を味わえる「MOOMIN VALLEY PARK」が今春、埼玉県の飯能市にグランドオープン!今回は、一足先に体験してきたその様子をご紹介します。

都内からMOOMIN VALLEY PARKへのアクセス

埼玉県飯能市に新たに完成した「MOOMIN VALLEY PARK」へのアクセスは、池袋から電車とバスを乗り継ぐのがおすすめです。もちろん駐車場も完備されているので、自家用車で向かうこともできます。ここでは、公共機関を使ったアクセスを詳しくご紹介します。
まず、西武池袋線の秩父行き特急電車(レッドアロー号)に乗車します。
(3月16日からは特急ラビュー号の運行が始まります)
レッドアロー号は乗車券と指定席券をあわせて970円、約40分で飯能駅に到着します。車内は広々としており、まるで小旅行に向かうようにリラックスできましたよ。

飯能駅に到着したら、「メッツァ」直行バス乗り場を探しましょう。こちらは、駅の北口を出るとすぐに見つかります。バスの料金は現金・ICともに200円。約15分で到着します。
休日のバスは混雑するので、時間に余裕を持っていきましょう。「MOOMIN VALLEY PARK」オープンの3月16日からは時刻表が改定されるようでしたので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 北口でてすぐ

  • 往復のバスが運行しています

自然のなかでほっと一息

乗車するバスが向かう「メッツァ」。こちらは「MOOMIN VALLEY PARK」に隣接する、北欧の暮らし方に着目した広大な自然一体型施設となっています。穏やかな宮沢湖を囲み、どこか異国に降り立ったような自然のなかで味わう空気は格別です。入場は無料で、「MOOMIN VALLEY PARK」へ向かうにはこちらの「メッツァ」を通り抜けていきます。

ふとしたところにフィンランド語の標識を見つけました。広々とした入場口を進んでいくうちに、本当にフィンランドの森に遊びにきたような気持ちになります。

北欧雑貨の販売店や、あの「ARABIA」食器を使用するカフェまで、ゆったりとした休日を過ごすには最適な環境が整えられていました。家族連れや、年配のご婦人方など、思い思いにリラックスして過ごす様子が印象的でした。

道端の標識に示された「Helsinki 7781km」の文字に、遠く離れたフィンランド・ヘルシンキの地を思い浮かべます。そのほかにも、宮沢湖をゆっくりとボートで楽しむこともでき、人々が寛ぐベンチの肌触りや、カラフルなゴミ箱の可愛らしさに、フィンランドの人々が自然を楽しむ姿を重ね、少しずつ近づくムーミンの世界に期待感が高まります。

  • 木彫りのボートはぜひ乗ってみたい!

  • 北欧デザインが随所に

「MOOMIN VALLEY PARK」へ

「メッツァ」を10分ほど進むと「MOOMIN VALLEY PARK」の入り口が見えてきます。地元のこどもたちが描いたウェルカムアートには、可愛らしいムーミンやスナフキンの姿も。こちらはオープン記念の展示ですので、お早めに足を運ばれた際にはぜひ。

  • ムーミンとスナフキンを発見

MOOMIN VALLEY PARK」の入場に必要なチケットは、大人(中学生以上)1,500円、こども1,000円(3歳以下は無料)。事前に購入できるオンラインチケットがおすすめです。

ムーミンのはじまりは本という由来から、ウエルカムゲートには4つの本が並んでいます。その先を進むと、見えてくるのは「Uimahuone(水浴び小屋)」。小屋の入り口には、トゥーティッキの名が掛けられています。ぐるりと一周したら、湖に張り出した小さな小屋のなかをこっそり覗いてみましょう。

園内には、ムーミンにちなんだ様々な食べ物が販売されています。ポップコーンカートや、テイクアウトでレモネードとサンドイッチを楽しめるお店。ゆっくりと座って食事を楽しめるレストランもありますから、小さなお子さま連れでもどうぞ安心してくださいね。木陰にはベンチが多く設置されていますし、ふかふかの芝生の上でお弁当を楽しむのも素敵ですね。

キャラクターをイメージしたカラーの花畑に囲まれ、心地よい自然の空気に溶け込むのと同時に、次第にムーミン谷の世界へ惹き込まれていきます。ムーミン谷を再現した小川や、小さな橋に見覚えがある方もいるかもしれません。トーベ・ヤンソンの描いた物語を通じ、私たちが頭に思い描いたムーミン谷が、目の前に広がっているのです。

そして、「ムーミン谷エリア」を進むとムーミン一家の素敵な青いお家が!赤い屋根と青い外壁が、青空に映えてとても可愛らしい姿です。実際に家の中に入ることもできるほか、外からは煙突からのぼる煙、ムーミンの部屋にかかる梯子などを伺うことができ、本当に細かく再現されたその姿に、きっと驚いてしまいますよ。

地図を片手に進んでいくと「おさびし山エリア」、物語に何度も登場する灯台や、スナフキンのテントを訪れることもできます。

  • ここでは実際の郵便配達サービスも

  • ヘムレンさんの自転車

小道の途中には魅力的なグッズショップもたくさん!登場人物たちの個性を表現した数々に、思わず手が伸びます。訪問の記念に、お気に入りを見つけてみてくださいね。

ステーショナリーやぬいぐるみなど、ここでしか買えないグッズがたくさん

楽しみ方のススメ

「海のオーケストラ」やおさびし山エリアの「飛行おにのジップラインアドベンチャー」、「ヘムレンさんの遊園地」は小さい子供も体を動かして遊べるアスレチックエリアです、そしてフォトスポットも充実しています。アトラクションは整理券が配布される場合がありますので、混雑時には注意してくださいね。

園内中央の「エンマの劇場」では、ムーミンやスノークのおじょうさん、スナフキンらが登場するエンターテインメントも。こちらは1日に3回開催されていて、手の届く距離でムーミンと仲間たちの姿を楽しむことができます。

こっそりとお伝えしたいのが、園内の「隠れキャラクター」。通り過ぎてしまいそうなあの場所に、その風景のなかに、ムーミン谷の仲間が隠れていますから、どうぞ目を凝らして、思い出を持ち帰りましょう。

また、園内の至る所に設置されているベンチ。木々の新鮮な香りがしてきそうな暖かみのあるベンチですが、よく見ると、ムーミンの物語に登場する印象的なフレーズが刻まれています。
いくつかをここで紹介してみましょう。

「あらしなんて、なんでもありません。
そのあとの日の出を、いちだんと美しくみせるのが、
あらしの意味かもしれません」ムーミンパパ『ムーミンパパの思い出』

「はっと、きゅうにスナフキンは、
ムーミン一家がこいしくて、たまらなくなりました。
ムーミンたちだって、うるさいことはうるさいんです。
おしゃべりだってしたがります。
どこへいっても、顔があいます。
でも、ムーミンたちといっしょのときは、
自分ひとりになれるんです。」ムーミン谷の十一月

ムーミン谷の世界に入り込んだようなこの場所では、彼らのことば一つひとつが、いっそうじんわりと胸に染み込んでくるようです。穏やかな自然を前にして、時間の流れまで忘れてしまいそうなひととき。そうしていつもの日常に戻ったら、あの物語を開いてみよう。ムーミン谷で目に留まった彼らのことばを、手のひらで感じてみよう。いつのまにか、そんな思いが芽生えていました。

トーベ・ヤンソンの愛した風景に触れる

トーベ・ヤンソンは、自らが過ごしたこども時代の夏の風景を愛し、そのなかからムーミンたちの物語を生み出したと言われています。彼女が生まれ育った自然、そしてムーミンたちが紡ぐ幸せな思い出。彼らはさまざまな出来事に出会い、そのなかで驚き、楽しみ、悲しみや喜びを経験します。
トーベ・ヤンソンが描きたかったものは何か?ムーミンたちの世界は、どのような思い出から生み出されたのか?それらは物語から直接読み取れるものもあれば、読み取れないものだってあります。たとえば自然の香りや、空気の清々しさ、花々の新鮮な色合いや、風に鳴る木々の声は、実際に経験しなければ知り得ないものでしょう。私たちがこども時代に感じたこと、楽しみや喜び、そして幸せ。具体的に言い表すのは難しいけれど、誰もの心にある、思い出の風景たち。
トーベ・ヤンソンも同じように、心のどこかにしまったその美しいものたちを、ムーミンの物語のなかに愛しく描き出したのではないでしょうか。「MOOMIN VALLEY PARK」に一歩踏み込めば、その特別な世界を、そばで感じ取ることができるはずです。心が触れる不思議な空間へ、ぜひ足を運んでみてください。