marimekko本社入口にはこのようなサインが飾られており、色彩豊かな世界が広がります。テキスタイルに圧倒されるものの、私は壁に飾られた小さなタペストリーを見つけました。
それはここに来て一番心惹かれるものでした。マリメッコ精神を表した手作りのタペストリーです。
マリメッコらしい遊び心と、クリエイティブ精神、人としてベースになる大切なものを教えられた気がしました。
FAIRNESS
LIVING NOT PRETENDING
COURAGE
JOY
COMMON SENSE
図書館から少し歩いて坂をおりたところに、子ども達たちが通う幼稚園があります。
園庭にはブランコやシーソーがあり、雨上がりでひんやりしていましたが、
外で遊ぶ子どもの姿も見られました。
門とかのしきりがなくて、出入りが自由です。
日本だと部外者の出入りが禁止で、塀があって門にはきちんと鍵ある印象ですが、ここ北欧はそのあたりはオープンのようです。
一番印象的だったのは、子どもたちの洋服。
外出時には蛍光色の厚めの「つなぎ」のような洋服を着るんです。
そういえば、ローゼンタールでも図書館でも、みんな日本の消防士さんのような服を着ていました。
迷子や危険を避けるためのものなんでしょうかね。
こんな風なお洋服。
オレンジだったり、黄緑だったり、黄色だったりととにかく色鮮やか。
これだと迷子になってもすぐに見つかるね。
転んでもすりむいたりしないからケガもしないね。
ストックホルム中心部から運河を挟んだところに位置するユールガーデン島へ。
一度は行ってみたかったローゼンダールガーデンを訪れたのはちょうど秋の頃。
うっそうと繁った紅葉の森を抜けると、そこにはハーブ園やりんご園、野菜や花畑が目の前に広がります。
カサカサ音がする落ち葉の道には、イガ栗やどんぐりの実もいっぱいです。
なんとも懐かしいところに帰ってきたような、土の匂いがしました。
空と海の境目は驚くほどくっきりとしています。
縦に伸びたすじ雲から、ひこうき雲がすぅーっと一直線に伸びました。
濃い青と白のコントラストは、目にも心にも優しい色です。
きれいだなと思う気持ちと、小さなせつなさも心に込み上げてきて、
遠い国に来たことを実感しました。
こういう時に思い出すのは、大好きな人の優しい顔です。
冬の海です。
光が当たって眩しいくらい。
海もとても穏やか。
一所懸命に遠くを見渡す男性がいます。
こちらヤコブセンのスワンチェア。
ベッドの色に合わせた深いオレンジ色です。
白鳥が羽根を広げたような形で、肘掛がついており、回転します。
ゆったり座ってちょっと考えごとをしたり、本を読んだりするのに最適でこの椅子にはよく座りました。
気がつくと寝てしまっていることもありました。
この部屋の主役は座り心地のよいヤコブセンの椅子なんですね。
私の部屋は角部屋で2面がすべて窓になっていました。
とても明るく、日差しが入るとほっとします。
部屋のカーテンは着替えをする以外は空けておきました。
北欧の雲の流れや空の色の移ろいを見ていると、自分の心と向き合っているような気がしました。
北欧の海はとても穏やかです。
波がなく、静かな湖、大河のように思えるほどです。
デンマークはドイツ国境を接するユラン(ユトランド)半島からリ・ベルト海峡を挟んでフュン島、ローラン島など400以上の島々から成り立つ国です。
静かな海には、小さなヨットもあり、風に乗って流されるというより、ただ浮かんでいる様子なんです。時間が止まって、まるで絵を見てるようでした。
日曜日ということもあって、この丘から海を眺める人たちがたくさんいました。
大人は休息と励ましを求めて、子どもは一層のエネルギーを求めて、ここに遊びにきているようです。
目に、耳に、頬に、からだ全体に風を感じた場所です。
自分の気持ちを立ち直らせてくれるような、優しく包み込んでくれるような、穏やかに癒してくれるような、そんな風を感じました。
だからみんなこの場所に長く座っているのだと思います。
ここは、ルイジアナ美術館の中庭から見た風景です。
前に広がるのはオーレスン海峡、遠くにスウェーデンが見えます。
この素晴らしい風景を誰にどう伝えよう。
心がぐっと熱くなりました。